北海道を巡る 2025/9【Nikon Zf】

写真旅

旅の経緯

再び北海道を訪れることにした。
日々生活をするだけで、段々と変わらない毎日が自分の心の起伏も制限し始める感覚がある。
そんな状態を払拭するかの如く逃げるように私はまた北海道行きのチケットを購入する。

今回もただの思いつきでの旅行の為、特に目的はなかったが何かと話題になっている釧路湿原の訪問だけを決め、後はふらふらと彷徨い歩きのそんな旅行である。

旅程

  • 1日目
    • 札幌
  • 2日目
    • 帯広〜釧路
  • 3日目
    • 釧路湿原〜網走
  • 4日目
    • 札幌
  • 5日目
    • 札幌〜新千歳空港

使用機材

  • NikonZf / 40mm、135mm

宿泊先

  • ホテルリブマックスPREMIUM札幌大通公園
  • 車中泊

I いつも通りの札幌

今年3回目の北海道であるが、やはりまだまだ知らない場所が多い。
パシャパシャと写真を撮りながら歩いているが、旅が終わってから見返してみると本当にとりとめの無い写真ばかりである。
テーマもないままスナップ写真を撮ってばかりいるが、最近になってようやくテーマの重要さを感じるようになった。

Ⅱ どんよりとした帯広

レンタカーを走らせ帯広へ。
目的は何もない。ただ走る。

札幌市街から約3時間半、途中雨に見舞われるもののなんとか帯広市街に辿り着いた私は、数年前に北海道一週をした際に食した豚丼が無性に食べたくなり、当時の記憶を思い返して「いっぴん」を訪れた。以前と変わらぬ、記憶通りの美味しさにあっという間に豚丼を完食した私はこの後どこに向かうかぼんやりと考える。

腹を満たした私は釧路方面に向かうため再び車を走らせる。
偶然、目の端に競馬場が映った。
せっかくということもあり、立ち寄ることに。

帯広競馬場 実際に訪れるのは初めてである。
ばんえい競馬が行われていることしか知らなかったので、ぶらりと構内を見て回ることにした。

帯広競馬場には馬の資料館というばんえい競馬の歴史を展示している施設が隣接している。
発祥から現在に至るまでのばんえい競馬の歴史や当時の文化が資料として展示されており、非常に興味深く見て回ることが出来た。

ばんえい馬は北海道の広大な農地を耕す、農耕馬の歴史から始まっていることがわかる。人々の日々の生活から切り離せない存在がさらに乗馬(ばんえい競馬)へ姿を変えていったのだ。

普段目にする競走馬の蹄鉄と違って様々な種類の蹄鉄が使われている。

ばんえい競馬キャラクターの「ばんば君」、ばんえい馬の力強さと特徴的なタテガミがキュート。

競馬場の中には厩舎も設置されており、ばんえい馬やヤギといった生き物たちに会うことが出来た。

動物たちとのしばしの触れ合いののち、釧路方面へ向けて再び車を走らせる。やはり北海道の広さは相変わらずで、あっという間に日が暮れてしまった。
目的地にしていた釧路には辿り着かず、途方に暮れたまま「白糠恋問」の道の駅で車中泊をすることに。

この道の駅は海沿いにあり、駐車場から直接浜辺へ降り立つことが出来る。
すっかり夜もふけた頃に中々寝付けない私は浜辺へ足を運ばせ、ぼんやりと真っ暗な海と雲の隙間から見える微かな星の光を眺めていた。
旅先でこうして車中泊をすることはしばしばあるが、辺りの静けさ、気配の無さが自分が今、北海道にいることを体感させてくれる。
旅先でホテルや旅館に泊まることも、それはそれで楽しい経験として私の心の糧になってくれるのだが、こうして車中泊をすると、キャンプに近いあの感覚を味わうことが出来る。
喧騒を離れ、自由に世界に佇むこの時間もまた私にとっては何物にも変え難い大事な時間である。

自然と心地の良い孤独を堪能したまま、車内で眠りにつく。
朝日に照らされて目を覚まし、車の外に出ると昨日とはうって変わって清々しい晴れた空が垣間見えた。

Ⅲ 広大な釧路湿原と寂しさの漂う網走

釧路港で朝食を取ろうかと考えていたが、食欲がほとんどなかった為そのまま車を走らせて釧路湿原のビジターセンターに向かった。

道中に湿原を見渡せるという展望施設があった為、立ち寄ったが開館時間が10時からということもあり、周辺の散策だけして後にした。
施設内にある広場には野生のシカがおり、黙々と地面に鼻先を付けながら何かを食べていた。
シカは全国各地に生息しており、度々見かけるが北海道のシカは他の土地のシカと比べて警戒心が強いように思える。彼らのテリトリーに一歩でも足を踏み入れると飛ぶように逃げ出してしまう。

目的地にしていたビジターセンターに着いた私は早速、初めての釧路湿原を散策する。
ビジターセンターは駐車場から歩いて行く必要があり、道中は林に囲まれている。
ヒグマの出没事例が北海道では相次いでいたため、私は物音に普段より余計に敏感な状態で脚を進める。
幸いヒグマには遭遇どころか痕跡すら見つかることは無く、振り返ってみると非常に安全な状況での散策であった。唯一見かけた生物は結局のところシカだけで、前回北海道を訪問した際に遭遇したキツネすら今回は姿を見せることはなかった。
メガソーラーパネルの設置がされている気配は無かったが、今後そのようなものがこの自然環境の破壊の上に成り立つ可能性があると思うと、なんとも虚しい気持ちが私を支配する。

広大な湿原はどこか異国情緒を感じさせる景色だった。
人工物が一切視界に入らない。
自然を満喫するという感覚から、自身も自然の一部だという感覚に気づく。

湿原を後にした私は網走へ車を走らせる。
道中、屈斜路湖と美幌峠に立ち寄った。この場所は小学生の頃に来て以来の訪問である。
霞んだ記憶からなんとか当時のことを思い出そうとしたが、それは叶わなかった。
行ったことがあるという記憶はあるが、景色を楽しんだ記憶や経験までは無かったのだろう。
気を取り直し、新鮮な気持ちで私は景観を楽しんだ。

美幌峠を後にして、さらに車を西へ走らせる。網走迄はもう間も無くだ。

車窓から見える景色は私の心を踊らせる。
ところどころで車を停車させて、私は広大な土地に向けてシャッターを切る。
地平線を地上で見られる場所はそうそう見当たらないものだが、北海道では少し車を走らせればすぐに出会うことが出来る。
私にとって非日常なこの地平線を前にカメラを構え続ける。

網走に到着したが、時間はもうすぐ16時を回る頃。
敷地内を見て回る時間的猶予は無いため、外観だけ眺める。
観光施設に来たものの、中を見ないで次の目的地へ、計画性のない旅路が続く。

網走監獄を後にして、川を挟んだ向こう側にある刑務所へ。
刑務所内は立ち入り出来ないが、刑務作業で作られた物品を取り扱うお店がある。
何かいいものが無いか立ち寄ったが、特にめぼしいものも無かった為、すぐにまた車を走らせるのであった。

すっかり日も暮れて、街灯の無い道をひたすらに走る。
カーナビのホテル到着時間は午前1時半ごろを表示している。
今日はなんとしてでもホテルのベッドで疲れた身体を休めたかったため、真っ暗な道を走り続ける。
旭川までの途中、自動車専用道路があった為、信号で止まることもなくひたすら車を走らせることが出来た。都度設置されているPAでコーヒーを飲みながら夜空を見上げる。
広大な北海道で一人、好きなように時間を使う。全て自分次第であるこの時間がなんとも言えない。

Ⅳ いつも通りの北海道

昨晩は網走からひたすらに札幌に取っていたホテルまで車を走らせていた。
結局ホテルに戻ってきたのは夜の1時を回る頃で、がらんとした深夜の狸小路でセイコーマートにより軽く食べ物を購入してそのままホテルのベッドに寝転んだ。

翌朝目を覚まし、今日をどう過ごすかぼんやり考える。
やはり、北海道に来たからにはいつも入っている豊平峡温泉に行くことに。
いつも思うが広々とした空と自然が展望出来るこの温泉の露天風呂での時間は何物にも変え難い贅沢な時間である。
前日までの移動で疲労した私の身体と精神をじわじわと回復させてくれる。
こういった贅沢な時間、緩やかな時間の経過は普段の生活の中では中々味わうことが出来ない。
一人で好きなところに赴き、好きなように時間を消費する。それが今はとても心地が良いのだ。

贅沢な時間を満喫した後は食事をどうするかだが、豊平峡温泉で出される本格的なカレーも迷ったが、結局普段は遠すぎて行くことが難しい山岡家でラーメンを食べることにした。
やはりいつ食べても相変わらずうまい。

食事を終えた後は、使わなくなったレンタカーを返却しに札幌へ舞い戻る。
今夜の食事をどうするかくらいしか考えることが無かったが、ごちゃごちゃと考え事に耽ってしまう日常とは大きな差である。

Ⅴ 旅の終わり

最終日、観光する時間もないため、大通り公園の近くにあった喫茶店で時間を潰す。
旅先で何もせず喫茶店でのんびり出来ることも一人旅の醍醐味の一つである。

いつも通り昼過ぎには新千歳空港に戻る。
いつも利用しているラウンジで映画を観てフライトの時間まで待機する。
前回は飛行機の遅延で成田空港で寝泊まりすることになったが、今回は遅延もなく無事に自宅まで帰ることが出来た。

計画しない、自由に時間を使う、好きなようにシャッターを切る。
普段の生活や撮影とは全く違った過ごし方が出来るこの時間が幸せの一つなのだと実感した。

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