旅の経緯
全旅程1週間に渡る旅路もいよいよ帰路に着いた。
ただ帰路といっても青春18きっぷを使った鈍行でののんびりしたものである。
鳥取から電車に乗り込み京都を目指す。一体どれほどの時間を要するのかは考えるのは野暮である。今はただ自由な時間を楽しむだけだ。
京都を訪問するのはいつぶりだろう。そんなに久方ぶりではないものの日本一の観光地である京都に行くというだけで心は躍るのであった。
また、その後に訪問を決めている静岡もまた私にとっては縁の深い土地である。
一時期浜松市と静岡市に住んでいたことがあるため、行きつけにしていたバーもまた今回の帰路の中の楽しみの一つであった。
長い電車の旅も楽しみに満ち溢れた気持ちで苦にもならずに乗り越えることが出来る。
旅程
- 1日目
- 大阪
- 2日目
- 大阪
- 姫路
- 3〜5日目
- 鳥取
- 6日目
- 京都
- 7日目
- 京都
- 静岡
- 8日目
- 静岡
使用機材
- Nikon Zf / 35mm、40mm
宿泊先
- 京都
- 静岡
Ⅰ ようやく辿り着いた都街
長い長い電車旅の末にようやく鳥取から京都に到着。
半日以上電車に揺られていたような気がする。
電車を降りると京都らしいジメジメとした暑さが身を包む。
チェックインを済ませ、夕飯と晩酌に心を馳せることから京都の旅が始まった。
夕飯は京都では一度も食べたことの無かった、京都ラーメンを食することに決めた。
駅から少し歩いたところにある「第一旭」に向かう。
平日の夕方ということもあり、並ばずに入ることが出来た。
ラーメン、餃子、ビールを注文し、初めての京都ラーメンを堪能した私は居酒屋へ繰り出すのだった。

NikonZf/40mm
Ⅱ ケの日の京都
京都滞在2日目は今まで行ったことのない場所を訪問してみようと決めた。
今日の夕方には静岡に向けてまた移動をする必要があるため、行き先は絞らなければならない。
さてどうするかと逡巡したのち、人生で一度も行ったことのない京都御所が思い浮かぶ。
早速電車に乗って向かうのだが、その道中で安倍晴明の神社があることを知る。
御所とそう距離は無かった為、こちらの神社に寄ってから御所に向かうことにした。

NikonZf/40mm

NikonZf/40mm
神社は住宅地に囲まれた場所にあり、異様な存在感を放っていた。
さすが古都である。日常生活の中に一千年以上の歴史を含有する歴史的な建物が当たり前のように存在しているのだ。
晴明神社の参拝を済ませた私は京都特有の湿度の高い夏空の下、次の目的地である京都御所へ歩みを進める。
平日の散策であるため、観光客の姿は見えず、代わりに地元の人々のありのままの生活の姿がそこかしこに見受けられる。これもまたいつもと違った京都の姿であり、今の自分には喧騒から離れたこの街の姿が妙に心地よく感じられる。

NikonZf/40mm

NikonZf/40mm
御所に着いた私はポツポツといる外国人観光客の人々を横目にそそくさと園内を散歩する。
初めて入った御所。かつてはここに天皇が住まわれていたというが遥か昔のことのように思えるくらいの荘厳さがあった。
歴史というものはいつも不思議である。
確かに確実に続いてきているものなのに、過去を振り返ることはなかなか難しい。
伝え聞いたり、学校で教わった歴史というものはどうも今の自分に地続きの場所にあった過去ではなく、お伽話のような曖昧さを持っていつも目の前に現れる。
せいぜい振り返ることが出来るのは祖父母から伝えられた家族の過去話程度でそれ以上先の過去は全てスケールが大きく、とっつきにくい大層なものに一気に姿をかえる。

NikonZf/40mm

Kyoto Gosho, Kyoto
NikonZf/40mm
Ⅲ お気に入りのチョコレートを求めて
移動のための電車の時刻まで残り1時間と少し。
さて、どうしたものかとぼんやりと考えながら京都の街を歩く。
なんとなく、祇園の方まで来たときに、以前立ち寄ったチョコレート屋を思い出した。
思い立ってからはあとは店へ向かうだけである。
四条河原から鴨川を越えて祇園に向かう。
この辺りは平日にも関わらず観光客で賑わっている。流石京都である。

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm
祇園の路地に入り込むと表の通りとは打って変わって、人影も減ってきた。
ちらほらといる人々の姿を横目に私は目的のお店へそそくさと足を運ぶ。

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm
目的地であったチョコレート屋さんに着いた私は慎重に商品を選び、満足気に店を後にする。
これで京都は一旦満喫出来た。
次に来れるのはいつになるか分からないが、また来るであろうことは間違いない。
次は第二の故郷である静岡の街を目指す。また電車での長旅の始まりである。

Nikon Zf/40mm
Ⅳ おかえりをくれる街
今の自分が静岡の街ですることは決まって一つしかない。
当時行きつけにしていたバーで飲むことだ。それだけを目的として今回も静岡での1泊を決めていた。
京都から遠路はるばる電車に揺られてようやく到着した静岡の街。全てが記憶の通りである。
ホテルへのチェックインを済ませた私は早速バーに向かう。
住んでいた頃は本当に日常の一部にあったお店だったが、静岡を離れた今では非日常の場所である。
ところが、そんなことは関係無くマスターがいつもと変わらぬ態度でおかえりと出迎えてくれる。
こういった場所があることがどれだけ幸せなことだろう。
今ではすっかりバーに行くことも無くなってしまったが、この街には確かに私が生きてきた証が自立して存在してくれている。
気の済むまでお酒と会話を楽しんだ私はホテルに戻り、ゆっくりと眠りに落ちる。

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm

Nikon Zf/40mm
旅の終わりに人の変わらぬ温かさに触れた私は、満たされた気持ちで帰路に着くのであった。
今回の旅は殆ど行き当たりばったりで計画性など皆無であったが、意外となんとかなるものであった。
大阪、兵庫、鳥取、京都、静岡と巡りそれぞれの土地で満足のいく時間を過ごすことが出来た。
このような旅を今後の人生であとどれだけ出来るのであろうか。

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